そもそも国会で議論されてきた「働き方改革」は、改革ではなく法律の問題です。
残業規制は、労働時間を1日8時間、週40時間と定めた「労働基準法」が機能するように、36協定を見直し、インターバル規制を入れ、罰則を徹底する。本来の労働基準法の目的に立ち返ればいいだけの話です。
2016年度に支払われた「未払い残業代」は127億円。前年度と比べると27%増えている状況で、高度プロフェッショナル制度(高プロ)もへったくれもないのです(こちらはまた別の機会に問題点などをお話ししますね)。
いずれにせよ、真の働き方改革とは、「それまで見過ごされていたこと、仕方がないとされていたことを“みんなの問題”として考え、解決しようと努力する」ってこと。
隠され押さえつけられてきた悲鳴を掘り起こし、女性とか、男性とか、部下とか、上司とか、はたまた社会人とか、何でもかんでもひとくくりにするのではなく、一人一人と向き合う。
「なに? 2次会くらいやってもいいじゃないか」とか、「飲み会がダメだったらいつ部下と腹割って話せばいいんだよ」とか、「社長の一言に付き合うのも、社会人の仕事のうち」などと言い訳したり、意味不明の説得を上司からされない社会。今まで「当たり前」だったことを、「本当に当たり前なのか?」「本当に必要なのか?」と考えてみる。これこそが「働き方改革」なんじゃないでしょうか。
そういった意味では、小松社長が一見「生産性」と関係なさそうな問題(=2次会、社長の一言)に、「業務の効率化」というお題目をあげたのも、「なかなかですね!」と感心しました。私なりに解釈すれば、それは「小さなことでもいいから取り組もうぜ!」というメッセージなんじゃないかと。
例えば「最高気温が33度を超える予想の時は、スーツは禁止します」なんてことも働き方改革だし、「通勤ラッシュを避けて時差通勤を!」なんてのもあり。これからもどんどん進めてほしいし、中京テレビの社員の方たちもどんどん「声」を上げてほしいです。
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