自販機で温めた食事を食べるなら、イートインのスペースはあったほうがいい。広東省の広州と深センに展開する「F5未来商店」は、自販機設置型の座って食べられる無人店舗だが、そのギミックが面白い。
スマホで麺を注文したとする。完成すると、取り出し口に設置されたガラスが、曇った状態から透明になり、できた商品がそこにあることを伝え、その後ターンテーブルのように回転して商品が届く。店内のテーブルで食べた後、テーブルのボタンを押すと、テーブルの上のものを全てテーブル内部のゴミ箱に捨ててくれる──というものだ。
購入には時間がかかるため、昼時にサラリーマンがやってきて急いで食べていくといったスタイルには向いていないものの、その試みには未来を感じる。
ところが、中国の中央銀行である中国人民銀行は7月13日、現金を受け入れないのは違法だと通達した(中国人民銀行公告[2018]第10号)。過去にも同じことを通達していたので念押しであり、新しい話ではないとはいえ、電子決済の無人コンビニ、電子決済のみの自販機、電子決済のみの自販機が並んだ店舗など、どれもがアウトになりかねず、せっかく民間で進めた試みが政府の政策でストップさせられかねない。となると、今後は現金にも対応するショップが有利になる。
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