かつて、応募するまでの一般的な流れは、(1)求人誌で情報を探す、(2)お店に電話をして面接日時の設定をする、(3)当日面接をするというものだった。しかし、現在は応募の半分以上がWeb経由になっており、店舗側が対応を間違うと面接に来てくれなくなるという。
荒木氏によると、一般的な求職者は同時に6〜7社に応募しているが、面接日時の設定にまでこぎつけるのは半分程度だ。
応募者は「給与」や「通いやすい場所にあるか」といった諸条件を見定めたあとに、複数社に応募する。そして、返事のあった順に面接日時を設定し、対応の遅い会社から連絡があっても無視してしまうという。面接設定率を上げるために何が必要なのか。荒木氏は次のように説明する。
「面接設定率の高い企業は、応募者からの問い合わせが来た瞬間に、店長のスマホにメールを送信しています。店長は、メールが来てから5分以内に返信しないといけません。お店が忙しいときには無理だと思う人もいるかもしれませんが、店内にいるスタッフでカバーしあえるようにしましょう」
自分の仕事が落ち着いてから返信するという考え方では、移り気な応募者を獲得できなくなっているようだ。
人材獲得競争が過熱化するなかで、企業は応募者に「従業員を大事にする会社だ」「一緒に働く同僚が魅力的だ」と思ってもらう必要がある。
セミナーでは、内定を出した後の受諾率が100%という京都の某企業の取り組みが紹介された。その企業では、最終面接時に応募者に飲み物を出しているのだが、紙コップに「緊張しているでしょうが、がんばってください」いうメッセージを書き込んでいる。同社は従業員を大事にするメッセージを明確に打ち出しており、その姿勢が高い受諾率につながっているという。
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