ワイモバが格安SIM市場“首位固め” 「スマホプラン」データ容量を倍増へ新端末で「シニア層」獲得も(1/2 ページ)

» 2018年08月01日 13時55分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 ソフトバンクのサブブランドMNO(移動体通信事業者)「Y!mobile(ワイモバ)」は8月1日、データ通信・音声通話をセットにした「スマホプラン」を刷新し、9月1日から料金を据え置いたままデータ容量を2倍にすると発表した。同プランの「S」は月額2980円で2GB、「M」は月額3980円で6GB、「L」は月額4980円で14GBまで使用可能となる(価格は全て税別、以下同)。

photo ソフトバンクの寺尾洋幸常務

 追加で500円を支払うとデータ上限が2倍になる「データ容量2倍オプション」は廃止するが、同じく500円で上限を「S」は3GB、「M」は9GB、「L」は21GBに変更できる「データ増量オプション」を新設する。

他社への流出防ぐ

 格安SIM市場でシェアトップに位置するワイモバだが、競合するMVNO(仮想移動体通信事業者)は昨今、20GB以上の大容量プランを相次いで打ち出している。今回のプラン刷新によって顧客満足度を高め、他社への流出を防ぐ狙いだ。

 ソフトバンクでワイモバ事業の責任者を務める寺尾洋幸常務執行役員は「ワイモバユーザーのデータ通信量が、ブランドを立ち上げた2014年からの4年間で1.7倍に増えたことを踏まえた。ネット利用を窮屈に感じていたユーザーは今後、我慢せずに使ってほしい」と話す。

 「これまでは新規ユーザー獲得のための施策が多かったが、やっと既存ユーザーにもお返しできる施策を打てた」(寺尾常務)という。

「パケットマイレージ」にテコ入れ

 ワイモバは現在、「Yahoo!Japan」にログインしたり、「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」「LOHACO」で買い物をしたりすると「マイル」がたまり、たまったマイルに応じてデータ容量を付与する仕組み「パケットマイレージ」を提供している。

 だが寺尾常務は「認知度・利用率に改善の余地がある」とみており、今秋にもテコ入れを行う予定だ。詳細は秋に発表予定だが、マイル付与の対象となるサービスを50種類超に拡大し、同じソフトバンクグループであるヤフーとのシナジーを最大限に生かしていくという。

photo 「パケットマイレージ」も刷新する

 格安SIM市場では、特定サービスのデータ通信量をカウントしない仕組み「カウントフリー」を取り入れる競合は多いが、ワイモバは「カウントフリーではなく、(ヤフーのサービスを)使ってもらうことで追加のデータを無料にする方針を取る」(寺尾常務)ことで差別化を図っていく。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.