全ユーザーに占める割合が20%程度にとどまっていたシニア層(60歳以上)の獲得にも力を入れるため、8月9日には同ブランド初となる初心者向け端末「かんたんスマホ」(京セラ製)を発売する。2日に予約の受け付けを開始する。
従来型携帯電話(フィーチャーフォン)からの乗り換えを加速させる狙いで、一般的なスマホではアプリとして画面上に表示される「電話」「メール」「ホーム」の3機能をハードウェアキーとして端末上に搭載し、使い方に迷うケースを防ぐ。アプリのアイコンや文字もやや大きく表示される。
端末の右側面には、音声検索専用のボタンを配置。押すと米Googleの音声検索システムに接続し、「今日の天気を教えて」などの質問に回答してくれる。
多様な機能を持つ同端末だが、最大の特徴は、ユーザーが困っている点を端末が自己解決するサービス「押すだけサポート」に対応している点だ。
ユーザーがホーム画面中央に表示された「押すだけサポート」のアイコンをタップすると、「こちらの症状でお困りではありませんか? 気になる症状を選んでください」との文言とともに、「画面が回転する」「着信音が鳴らない」などの具体例が示される。
該当する悩みを選ぶと、「着信音のミュート解除」「画面の回転のロック」など設定が自動で行われる仕組みで、スマホに不慣れなユーザーをサポートする。
該当する悩みが表示されない場合は、「電話をかける」ボタンをタップすることでワイモバのコールセンターにつながり、オペレーターに直接相談できる。それでも操作に迷った場合は、合意の上でオペレーターがユーザーの端末を遠隔操作し、設定を代行することも可能という。
サービス面でもシニアに訴求するため、8月9日から同端末を購入したユーザーの国内通話が無料になる「60歳以上 通話ずーっと無料キャンペーン」も始める予定。MNP(番号ポータビリティ)や機種変更によって乗り換えたユーザーが対象で、適用時に年齢確認を設ける。
寺尾常務は「シニアを獲得すると問い合わせも増えることが想定されるが、自ら解決できる端末を投入して手間とコスト増を防ぐ。ユーザーにも店舗スタッフにもメリットのある施策だ」と強調。
「ワイモバのブランドビジョンは『インターネットが生み出す便利さと楽しさを全ての人の手元に届けたい』。これを成し遂げられるよう、シニアを含むより多くの人にスマホを普及させたい」と展望を語った。
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