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ガツガツしなくても、売り上げが劇的に伸びるトーク術心理カウンセラーが分析(2/6 ページ)

» 2018年08月02日 07時28分 公開
[ITmedia]

真っ白な状態で話を聞く

 では、信頼獲得のためにはどうすればいいのだろうか。アドラー心理学を踏まえながら見ると、ポイントは3つある。

(1)尊敬して聞く

(2)共感して承認する

(3)勇気付けしながら質問する

 1つ目の「尊敬」は、一般的に使われる尊敬という言葉とは少しニュアンスが違い、余計な感情を持たずに相手と接するということだ。

 初対面の相手であれば、一切の先入観を捨てて、相手のありのままを見る。何度かあったことがあり、今日はなんか不機嫌そうだなと感じても、そういうことは気にしない。真っ白な状態で話を聞く。

 人間なのだから、たまには不機嫌になるときもあるだろう。しょっちゅう不機嫌そうにしている人もいる。そういうことも含めて、相手の存在そのものを受け入れるということだ。

 難しいのは、真っ白な状態で話を聞くという点だろう。人は少なからず「誰かに認めてもらいたい」という欲求(承認欲求)を持っているため、知っている話題には口を挟みたくなり、褒めてもらいたい、自慢したいという気持ちも生まれる。

 例えば、相手が「業務を効率化したい」と言った場合、「この手法が流行りですよね」「あの会社はこうやって効率化したらしいですね」などと言いたくなるかもしれない。

そういう話はいらない。売れる人たちも、そういう余計なことは言わない。

 自分が知っていることでも、口を挟みたくなるようなことでも、ソクラテスがいう「無知の知」のようなもので、真っ白な状態で聞くことが重要だ。その姿勢を通じて、相手は「この人はきちんと話を聞いてくれる」と感じる。業務効率化という課題の解決に力を貸してくれようとしてくれているのだと認識し、信頼の1歩目ができるのである。

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