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ガツガツしなくても、売り上げが劇的に伸びるトーク術心理カウンセラーが分析(4/6 ページ)

» 2018年08月02日 07時28分 公開
[ITmedia]

目標を共有して一緒に考える

 3つ目の「勇気付け」は聞きなれない言葉だと思うが、簡単に言えば、相手がやろうとしていることを支援するということである。そのために、相手の取り組みや考え方のいいところだけを見る。誰かと比較せず、評価せず、何をやろうとしているか(プロセス)を理解する。

 例えば、ある居酒屋から日本酒の売り上げを伸ばしたいと相談を受けたとしよう。自分がその道に詳しければ、日本酒ならこういう成功例があると教えたくなるかもしれない。あるいはマーケッターの視点で考え、市場がどうだ、流行っている店はどうだと言いたくなることもある。

 しかし、そういう情報はいらない。誰かと比較したり、専門家的な視点で評価することによって、「この案はダメか」「難しいかもしれない」と相手がやる気をなくすかもしれないからである。それでは支援していることにならない。

 また「日本酒より焼酎のほうがいいと思います」といった個人の意見もいらない。そのせいで相手がやりたいことを聞き出すチャンスを逃してしまう可能性があるからだ。重要なのは、相手が何をやろうとしているかを知ることである。ニーズをつかみ、ウォンツを探ることだ。その部分をもっとも細かく聞き出せるのが、真横で支援する人である。

 何かを実現したいと思っている相手と、その方法を一緒に考える自分という関係性ができることで、信頼関係はさらに強くなる。結果、相手は「まずはあの人に相談してみようか」と思う。自然と相談の電話が入るようになり、売ろうとしなくても売れるようになるのである。

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