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ガス会社勤務だった女性が「世界最大級のデジタルコンテンツ会社」を率いるまで新連載:パーフェクトウーマン 女性が拓く新時代(5/5 ページ)

» 2018年08月07日 08時30分 公開
[大宮冬洋ITmedia]
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歩んで来た道を振り返ると、全てがつながっていた

 以上が島本社長へのインタビュー内容だ。

 キャリアとは、明確な目標に向かって合理的に要素を積み重ねるものではないと思う。行き当たりばったりの状況でも好奇心と努力によって道を拓(ひら)き、前に進むのだ。来た道を振り返ると、全てがつながっているように感じるのだろう。

 島本さんのキャリアもその通りだ。米国での子ども時代、家族の絆(きずな)、大阪ガスでの新人時代、夫について赴いた英国での仕事、そして帰国。どれも計算づくで選んだ道ではない。しかし、置かれた環境で自分が興味のあるものを見つけ、誰かに喜んでもらうために全力を尽くしていたら、いつの間にかグローバル企業が手放せないリーダーとなっていた。

 論理的かつ情熱的なお話の中に、ちょっと天然なお嬢さん的人柄も垣間見えた島本さん。その根源には健全な自己肯定感のようなものがあるように思う。温かい家族で培われ、「ダイバーシティー&インクルージョン」が進んだ欧州で花開いた感覚なのだろう。

 自分を好きになって自信を持てば、人に対して寛大になれるし、余裕も生まれる――。若い女性だけでなく、全ての社会人に役立つ、島本さんからの助言である。

著者プロフィール

大宮冬洋(おおみや とうよう)

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。自主企画のフリーペーパー『蒲郡偏愛地図』を年1回発行しつつ、8万人の人口が徐々に減っている黄昏の町での生活を満喫中。月に10日間ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験しつつ取材活動を行っている。読者との交流飲み会「スナック大宮」を、東京・愛知・大阪などで月2回ペースで開催している(2018年7月現在で通算100回)。著書に、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる〜晩婚時代の幸せのつかみ方〜』(講談社+α新書)などがある。 公式ホームページ https://omiyatoyo.com


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