ボクシング連盟・山根明氏の辞任に脅える、「東京五輪不出場」のシナリオ赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2018年08月09日 09時31分 公開
[臼北信行ITmedia]

悪夢の共闘

 これまで忠誠を誓っていた理事たちも山根氏に愛想を尽かし、続々と辞任の意向を固めている。ただ悲しいかな、それも理事全員ではなく一部にはいまだ“山根氏の見えない力”を恐れ、及び腰になっている人物もいると聞く。長きに渡って連盟トップの座に居座り続けた山根氏は、とにかく海千山千。人脈と権力は想像を遥かに超えるレベルに達しており、そのコネクションにはアメフト問題で同じようにバッシングを浴び続けている日本大学のドン・田中英壽理事長も昵懇(じっこん)の間柄を築く存在として含まれている。

(写真提供:ゲッティイメージズ)

 「今年4月に日大の客員教授に就任した山根氏は田中理事長とのホットラインがあります。今回の辞任劇に関しても、アメフト騒動で批判の矢面に立たされながら自分は辞任せずに幕引きを図ろうとしている田中理事長から何らかの助言や手助けをもらっている可能性も否定できない。つまりは“悪夢の共闘”です。

 会長職を解任ではなく辞任の道を選び、現段階で浅いキズに終わらせて反主流派に復讐するための牙を研ぐ。往生際が悪い山根氏サイドは、そういう考えに基づいて今後の反撃シナリオを描いているのではないか。しかも彼の息子や、いまだ息のかかった理事ら要職にしがみついている関係者は連盟の中にはびこっている。

 いや、それだけじゃなく本心をひた隠しにしている山根氏のスパイも連盟の内部に暗躍しているはず。こういう構図が怖いからこそ山根氏の幻影におびえ、いまだにビビっている関係者が連盟内には少なくないのもまた事実なのです」

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