ボクシング連盟・山根明氏の辞任に脅える、「東京五輪不出場」のシナリオ赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2018年08月09日 09時31分 公開
[臼北信行ITmedia]
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日本ボクシング界の明日

 日大のアメフト問題で発足した第三者委員会も結局、最大のキーパーソンとされている田中理事長を辞任に追い込むことはできなかった。これだけの醜聞が明るみに出て断が下されなかったのだから「正義とは何ぞや」とため息をつきたくなる。

 まさか今回の問題でもJOCから要請され、発足の運びとなるはずの第三者委員会も同じ轍(てつ)を踏んでしまうのか。そんな結末は絶対に許してはならない。「不正疑惑の総合商社」と化した山根氏のボクシング界からの永久追放処分、そして同氏の息のかかった人物たちも同罪の形にするなどして連盟を完全浄化させなければ日本ボクシング界に明日はないだろう。

 だが、そうは言いながら決して容易な道でないのも事実。東京五輪の開幕まで、たったの2年。日本ボクシング連盟が“脱山根”の新生団体としてクリーンであることを証明し、再興していくにはあまりにも時間が少な過ぎる。それでも山根氏の反撃を封じ、イバラの道を何とか乗り切ってボクシング日本代表の面々が母国のひのき舞台で表彰台に立つ姿を待ち望む。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシア)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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