作業服のワークマンが、新たな市場をつくりそうな理由水曜インタビュー劇場(新業態公演)(3/6 ページ)

» 2018年08月29日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

店内に一般客が増えている

フィールドコアの「AERO STRETCH ブルゾン」(2900円)

土肥: 現場で働く人のためにつくったモノが、バイクユーザーの間で火がついたわけですが、そのほかのブランドはどうだったのでしょうか?

大屋:2ブランドとも、発売後1〜2カ月で売り切れました。ただ、加盟店からは批判が殺到しまして(涙)。「中途半端なことをするな。もっとたくさんつくれ」「こちらは毎日、お客さんに謝っているんだぞ」と。翌年、生産量を倍にして販売することになったのですが、加盟店からはこのような声がありました。「『ワークマン』という言葉を使わないでくれ。そのほうが売れる」と。それを聞いたときには「失礼なことを言うなあ」と感じたのですが、実際に社名を外したところ売れに売れまして(苦笑)。いまでも社名を外した状態で、販売しています。

土肥: バイクユーザーにウケた、釣り人も購入している、となると店内に一般の消費者が増えているのでしょうか?

土屋: はい。ブランドを展開する前は、一般の人が来店するような店ではありませんでした。以前は店の前に、大きなゴミ箱を置いていたんですよね。お客さんは現場で使った靴で来店して、新しい靴を購入する。そして、履いている靴を脱いで、新しいモノに履き替える。そうすると古い靴が不要になるので、ゴミ箱に捨てるといった流れでした(注:現在は、設置していない)。何が言いたいのかというと、現場で使っていた靴で店内を歩く人がたくさんいるので、一般の人や女性は近づきにくいですよね。

 しかし、3ブランドを展開するようになって「一般の消費者が増えてきている」といった声を聞くようになりました。ちょっと信じられなかったので、どのくらいの数がいるのか調査したところ、2割ほどいることが分かってきました。

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