じぶん銀行が「ガチで萌える」2次元美少女の行員を作りこむ深い訳「安易な萌えキャラでオタク釣るな」と言われ(2/4 ページ)

» 2018年09月07日 07時00分 公開
[服部良祐ITmedia]

「中の人」は本物の若手女子行員

 「TwitterでカードローンをPRする女子行員キャラ」に設定を定め、4月にはチームを結成した。Twitterのツイート担当になったのが入社3年目の西彩花さん(24)と1年目の澤田梓乃さん(23)。アニメ好きの若い男性行員や広告代理店の人も加えスタートした。

photo つぐみさんの「中の人」、西彩花さん(左)と澤田梓乃さん

 関口さんたちが最初にこだわったのは彼女の「設定」だ。中の人が入社3年目と1年目なので、中間をとって入社2年目にした。「(こうしたキャラでは)中の人が男性という場合もあるが、実際に女性でないと疑われる場面が出てくる」(関口さん)。カードローンのPR担当である若手女子行員が、「全く同じ仕事を任されたばかり」のつぐみさんに扮(ふん)することでリアリティーを持たせた。

 名前にもこだわった。「小鳥遊(たかなし)」とは「タカがいないので小鳥が遊べる」という意味の極めて珍しい名字だ。しかしアニメの世界では、「小鳥遊宗太」(WORKING!!)や「小鳥遊六花」(中二病でも恋がしたい!)など頻繁に登場する。「Twitter上で活動するので、現実では珍しくてもアニメでは有名な名前にした」(関口さん)。

 「つぐみ」についてはTwitterの公式アイコンが鳥をイメージしていることから、そこで「つ」ぶやくキャラということで「つ」ぐみに。ちなみに関口さんの奥さんの名前と同じという。

実はオタクな「ギャップ萌え」キャラ

 表向きの性格は「礼儀正しく真面目で頑張りやな委員長タイプ」。これは銀行員のステレオタイプだが、本性は「ズボラなドジっ子」。外向きの趣味はピアノだが、本当はコスプレやアニメの聖地巡礼、アニソンの1人カラオケにイラスト制作とオタク趣味だ。TwitterはするがInstagramは苦手で、リア充とよく言われる「インスタ女子」の逆を行く。

photo プライベートのオタクなつぐみさん

 「アニメや漫画好きな若い男性向けに“ギャップ萌え”を狙った」と関口さん。裏設定では彼女は裕福な家のお嬢様。「厳しめの家だからこそオタク趣味に走ってしまったというアニメでよくある設定」(関口さん)。お金持ちなので借金にも縁はなく、動画では「カードローンのこと全く分からない」とつぶやく。

 また、現実にいる“イケメンキャラ好き”なオタク女子ではターゲットの男性がシンクロしづらいと考え、逆に女性キャラ好きにした。いわゆる「魔法少女」「魔女っ子」もののアニメが好みだ。

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