よほどのことがない限り、対面営業で「あなたの話はつまらないから帰ってほしい」と言われることはありませんが、電話は相手の切りたいときに切ることができます。営業を担当していれば、誰しもがこの「ガチャ切り」を経験したことがあるはず。相手がすぐに電話を切ろうとするとしたら、「よく分からない」「この人に何を言っても会話にならなそう」「営業攻撃されたくない」と思われている可能性があります。
そしてそのような電話営業に対し聞き逃しがあったとしても、もう一度聞き直してくれることはありません。ですから、第一関門は「結構です」と言われて、本題に入る前に電話を切られないようにすることになります。そのための制限時間は15秒だと考えてください。まずは15秒で、その電話が受け手に価値があるかもしれないと思ってもらうことを目指しましょう。
電話が苦手な人は、相手の反応への期待が大きすぎるのかもしれません。受け手が相づちを打ちながら、優しく話を聞いてくれることを無意識に期待していませんか。電話を受ける場合、「何となく社名を知っているから受ける」「何となく時間があるから受ける」「電話は基本的に全部受ける」など事情はさまざまですが、最初の15秒では「自分に関係ありそう」「自分にメリットがありそう」「聞いておいて損はなさそう」と思ってもらうのが精一杯です。
15秒で言えることといえば、「社名」「名前」「かけてきた経緯」くらいなので、受け手の業務内容を推測してかけていることが伝われば十分なのです。短い時間なので、相づちもないかもしれませんが、切られなかったら「価値がありそう」と思ってもらえたと判断していいでしょう。15秒で相手が強い関心を示すようなら、むしろ警戒したくなりませんか。15秒だと「はあ…」程度の反応が平常だと考えれば、気が楽になると思います。
焦る必要もなく、「用件は何か」「なぜ自分にかかってきたか」に納得してもらうことに集中しましょう。シンプルに必要なことだけを伝えればいいのです。
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