筆者は昨年『職場の問題かるた “言える化"してモヤモヤ解決!』(技術評論社)を上梓し、今も全国各地で公演活動に励んでいる。その結果、多くの企業・官公庁・自治体が、「かるた」をきっかけに変わりつつある。最も共感度の高い札を1つ紹介しよう。
「し:資料のための、資料を作る」
皆何となく「無駄だ」「おかしい」とは思っているけれどなかなか言い出せない、日常の当たり前に潜む間接業務や慣習。文字やイラスト、声で表現し、景色を変えることによって気付きやすくし、言いやすくするのが狙いだ。かるたの札のせいにして言ってしまう。そのような効果があるようだ。
働き方改革の名の下、業務の無理、無駄の洗い出しに取り組む組織が増えている。さりとて、堅苦しいオフィスの、堅苦しい会議室で、上司を前に「無理」「無駄」「おかしい」は言いにくい。かるたは、遊びを取り入れて本音を言いやすくするためのツールなのだ。普段ものを言わなかった派遣社員が、仕事の無駄を指摘し、そこから改善が進んだ企業もある。まさに、エンターテインメントこそがソリューションなのである。
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