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なぜか心をざわつかせる「マラソン社員」から何を学ぶのか常見陽平のサラリーマン研究所(2/3 ページ)

» 2018年10月12日 07時30分 公開
[常見陽平ITmedia]

マラソン社員が気になって仕方がない

 筆者が会社員のときも、マラソン社員が存在した。「すみません、来週からホノルル(マラソン)なので、会議を1週間前倒しにできませんか?」と、毎年ホノルルマラソンに行くことを定例化していた社員がいた。その後、役員や部長が参戦しただけでなく、メタボ気味な役員や、ヘビースモーカーで知られていた編集長も走るようになった。

 社内の役員、部長だけでなく、隣の席に座っている同僚が実はマラソン社員であることを知ったとき、見る目が変わってしまう。いや、その態度を悟られないように振る舞うのもまた大変なのだが、ついつい気になってしまうのである。

 この人は、どうやってマラソンの練習をする時間を捻出しているのか? 仕事や家庭との両立をどうしているのか? 一緒に飲み会に参加していて大丈夫なのか? など気になって仕方がなくなる。

 なんと言っても気になるのは、財布の事情だろう。いや、皇居ランや東京マラソンなど地元のマラソンは低予算で参加できる。シューズやウェアも「一番いいモノ」を購入しても、たかがしれている。しかし、ホノルルマラソンや全国のマラソン大会を転戦しているとなると、気になってしまう。

 社会人1年目のころはどこで働いても給与に大きな差はないが、30代前後になると格差が出てくる。ビジネス誌の給料特集や『会社四季報』(東洋経済新報社)などを読まなくても、「会社名 年収」で検索すると、そこで働いている人はどのくらいもらっているのかが分かる。ちょっと失礼な話になるが、「この年収で、どうやってやりくりしているんだろう?」と疑問を感じることもある。

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