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離職率28%だったサイボウズは、どうやってブラック企業から生まれ変わったのか幸せと生産性を考える(2/3 ページ)

» 2018年10月22日 06時45分 公開

「質問責任」と「説明責任」で、もやもやを解決する

 サイボウズ社員が必ず守るルールの1つに、「質問責任」と「説明責任」があります。質問責任とは、「もやもやしたことは必ず聞かなければならない」ということ。分かりやすく言えば、もやもやを居酒屋などで愚痴るのではなく、「この人なら答えてくれそうだ」という人に必ず聞こう、ということです。

 そして、聞かれた人には説明責任が生じます。説明責任とは、「聞かれたことは答えなければならない」ということ。「自分では分からない」も含めて、誠実に答えることを要求します。分からなければ、分かってそうな人に一緒に尋ねに行きます。

 700人以上が働くサイボウズほどの企業規模の場合、このルールだと、尋ねる相手の2〜3人目には社長に行きつきますので、最終的には、社長に説明責任が生じる形になります。

 説明責任は重要です。説明責任が果たされると、「自分の疑問に応えてくれる」という安心感が湧き起こり、信頼関係が生まれます。逆に、説明を求めた人に軽くあしらわれたり無下にされたりすると、質問をした人は2度と質問をしなくなります。

 このルールを実直に行うことで、コミュニケーションの安心安全の場が保たれ、自分の意見を出すことのハードルが下がっていきます。サイボウズのコミュニケーションが活発なのは、各個人がもやもやを放置することなく、何でも質問したり意見を言ったりして、そのもやもやを受け止め対処するやり取りが、ところどころで見られるからなのです。

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