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» 2018年10月26日 08時15分 公開

『Dr.スランプ』で「マシリト」と呼ばれた男・鳥嶋和彦の仕事哲学【前編】:ドラゴンボールの生みの親 『ジャンプ』伝説の編集長が語る「嫌いな仕事で結果を出す方法」 (4/5)

[今野大一,ITmedia]

結果を出せば誰も文句を言えなくなる

――本当に編集部で買われていなかったのですか? 今考えれば想像もできないのですが……。

 『少年ジャンプ』の漫画が嫌いでしたし、それをはっきり編集部にも言っていましたからね。そんな新入社員、好かれるわけがないですよね(笑)。でも僕の性格上、面白くないものを「面白い」とはいえないんですよね。でもこの一件で「漫画編集という仕事もやりようによっては面白いんだな」「自分が面白い漫画を作ってアンケートで1位を取ればいいんだな」と分かったんです。結果を出せば誰も文句は言えなくなりますから。それが僕にとっての働くモチベーションになったのです。

――自分の方法論を発見されたんですね。当時、編集部の雰囲気はどうだったんですか。

 当時は早稲田大学の出身者ばかりで、慶應義塾大学出身の僕はそれだけでいじめられました。今でも覚えていますが、当時の副編集長に飲みに誘われたことがありました。新宿のバーで「慶應大学の校歌の替え歌を歌え」と言われたんですが、僕は「イヤです」と言って断り、その場で帰りました。それ以降はたとえ飲みに誘われても「すみません、僕デートがあるので」といって一切断ったんです。くだらない、と思って。

 僕は体育会系の雰囲気や、人をバカにするようなコミュニケーションの取り方は大嫌いなんですね。中学2年生のときにも、同じようなことがありました。僕は吹奏楽部だったんですが威張っている3年生を見て、「自分たちが3年生になったら不要な上下関係はやめようね」と同級生と話していたのです。ところが、その同級生が3年生になり部長になった瞬間、同じことをやり始めました。それで僕は「約束と違うじゃないか」と注意したら、伝統がどうのこうのと言い訳をしてきたので、「悪いけど俺、一緒にやってられないからやめる」っていって退部をしたんです。

――本当に辞めたんですか?

 はい。だってそんなくだらないことに時間を費やしたくないですから。

――日本では今でもそういった不要な上下関係や縦社会がはびこっているかもしれないですね。このような硬直した人間関係を、鳥嶋さんはどのように捉えていらっしゃいますか。

 イヤな言い方かもしれないのですが、僕が一番大好きなのは自分なのです。申し訳ないけど自分より頭が良いと思う人間にもめったに会ったことがないのです。だから人の話を聞いても仕方がないんですよ(笑)。だったら自分の頭で考えて試行錯誤をした方が、ずっと自分のためになるんですよね。

phot

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