NTTドコモと大手ガラスメーカーのAGCは11月7日、電波の送受信ができ、アンテナとして機能するガラス「ガラスアンテナ」を共同開発したと発表した。窓ガラスの室内側に貼り付けると、景観を損ねることなく通信基地局として機能する点が特徴。2019年上半期から、携帯電話のサービスエリア拡充に取り入れるという。
透明性・透視性のある導電材料とガラスを組み合わせて開発し、3.5GHz帯のLTEに対応。電波が窓ガラスを通過した際の減衰・反射を抑える新技術「Glass Interface Layer」を採用しており、つながりやすい通信環境を構築できるという。
サイズは700(幅)×210(高さ)ミリで、重さは1.9キロ。ドコモが実用性を検証する実験などを行い、AGCが開発・制作・取り付け方法の確立を担った。
通信量が増大する中で安定した高速通信を確立するため、通信事業者は通常基地局のエリア内に「スモールセル基地局」と呼ぶ小型の基地局を設置し、トラフィックを分散させる手法を用いている。
だが、スモールセル基地局を設置できる場所は建物の屋上や中低階層の壁面に限られているほか、街の景観との兼ね合いから設置が困難な場所もあるという。
一方ガラスアンテナは、建物の窓などに貼り付けるだけで設置でき、景観を維持したまま通信品質を向上できることから、一連の課題の解決策になり得るとしている。
今後は5G(第5世代移動通信システム)に対応したガラスアンテナの開発を検討していく方針だ。
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