実は以前、このコラムでもさらっと触れたことがあるが、カリフォルニア州は9月、教育現場でニュースを見分ける方法や信頼できるメディアを評価する方法など、メディア・リテラシー(メディア情報を見極める能力)の教育を学校で行うよう州法で定め、そのための準備を2019年7月までに済ませるよう指示した。
というのも、大人でもだまされるフェイクニュースを子供が判別できるはずがないからだ。しかも人格形成時の子供に、フェイクニュースの広がりが与える影響は大きい。米国では現在、13〜17歳の学生の89%がスマートフォンを所有する(米NGO「コモンセンス」調べ)。これは6年前と比べると倍増している。日本でも、総務省によれば、13〜19歳で81.4%がスマホを所有している。彼らの手元に、フェイクニュースがどんどん届くのである。
いかに子供がフェイクニュースにだまされやすいのかは、米スタンフォード大学の調査で明らかになっている。調査によれば、デジタル世界に慣れている子供であっても、Google検索やソーシャルメディアなどで出てくる情報には、簡単にだまされやすいことが判明した。大人は子供たちがネットに慣れているから簡単にだまされないのではないかと考えがちだが、それは間違いだった。
多くは記事などが誰によって書かれたものか、どこから来たのか判別できず、また中学生の8割は「広告ページ」と書かれたニュースっぽい記事が広告であると見分けられなかったという。また高校生でも、記事に付いている配信元のテレビ局のロゴが本物か偽物かを見分けられなかった。
そして調査から導かれた結論が、「情報を見る準備ができていない」ということだった。つまり、ネットでニュースを見るメディア・リテラシーがなかったのである。ならば、その指摘にはどう対処したらいいのか。
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