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2カ月、5万円で会社設立! 「社会保険料の節約」に悪戦苦闘した元公務員の“生存戦略”元国税局職員が明かす「サバイバル術」(6/6 ページ)

» 2018年11月09日 08時30分 公開
[小林義崇ITmedia]
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「家族持ちフリー」のお財布事情

 最後に、そもそも私がなぜここまでして社会保険料を下げたいと思ったかをお伝えしたい。おそらくフリーランスの方の中には、「税金や保険料を節約するよりも、本業で稼ぐ方に力を入れるべきだ」と考える人も少なくないだろう。私も基本的には同意する。

 ただ、私のように家族をもつフリーランスは、仕事をしたくともできない状況になる可能性が少なくない。私の場合、昨年末から2カ月間、妻が入院するという初めての経験をした。この期間は妻の見舞いのほか、子どもたちの世話をするために仕事をかなりセーブせざるを得なかった。当然、収入も落ちた。

 以前のように公務員であれば、こうしたときに有給休暇などを使えただろうが、今は違う。自分自身はもちろん、家族であっても何か問題があればその期間を耐えられるだけのお金を準備しておかなくてはならない。そのためには、まず不要な出費を減らしキャッシュフローを改善する意識が必要だと考える。

 フリーランスの生活は紛れもなく自由だ。その生き方は自分に合っていると感じる。だが、その自由はお金がなければ簡単に崩れてしまう。仕事をすべきときに仕事をし、家族と過ごすべきときに不安なく過ごせるよう、できることはしておきたい――。それが、私が会社を作った最大の理由である。

著者プロフィール

小林義崇(こばやし よしたか)

1981年生まれ、福岡県北九州市出身。埼玉県八潮市在住のフリーライター。西南学院大学商学部卒。2004年に東京国税局の国税専門官として採用。以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事する。2014年に上阪徹氏による「ブックライター塾」第1期を受講したことを機に、ライターを目指すことに。2017年7月、東京国税局を辞職し、ライターとして開業。Twitterホームページ


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