例えば、プルーム・テックに切り替えた人・禁煙した人ともに、発がん性があるアクリロニトリルの24時間当たりの暴露量は、事前調査期間は約90マイクログラムだったが、3日目に約20マイクログラムに低下。5日目にも同等の数値を記録した。
同じく発がん性物質であるNNK(タバコ特異的ニトロソアミンの一種)の量は、事前調査期間は約110マイクログラムだったが、3日目に約50マイクログラム、5日目に約40マイクログラムに減った。
他の物質もほぼ同様に推移していたが、プルーム・テック用のカプセルはタバコ葉を使用していることから、ニコチン量の低減率では差が出る結果に。プルーム・テックに切り替えた人から検出されたニコチン量は約5ミリグラムで、紙巻きたばこの使用者(約10ミリグラム)よりは少なかったものの、禁煙した人(約0ミリグラム)を上回った。
こうした結果を踏まえ、試験を監修した、北里大学医学部附属 臨床研究センターの熊谷雄治教授は「ニコチンは若干難しい結果が出たものの、それ以外の物質の暴露マーカー(暴露量)が禁煙者と同じだったのはかなりの驚きだった」と明かす。
「きちんと実験しなければ分からないが、すでに禁煙している人を被験者に選んだ場合でも、同じような結果が出るだろう」という。
ただ、暴露した物質が被験者の体に及ぼす影響を調べるためには、今回と同じ5日間では難しく、より長い期間が必要と判断。「喫煙者がプルーム・テックに切り替えることで、疾病に罹患(りかん)するリスクを低減できる可能性が高いことは分かったが、断言はできない。引き続き調査を進めていく」とした。
JTは19年3月末までに、吸い応えを向上させた低温加熱式の「Ploom TECH+」と、高温加熱式の「Ploom S」の新モデル2機種を投入する予定だが、これらに対しても臨床試験を行い、「さまざまなデータやエビデンスを取っていきたい」(福地執行役員)とした。
報道陣からは、2機種は現行モデルよりも安全性が高くなるのか――という問いも出たが、福地執行役員は明言を避けた。
JTの広報担当者は、新モデルの詳細を「状況が整い次第発表する」としている。
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