築46年なのに、なぜ「中銀カプセルタワー」に人は集まるのか水曜インタビュー劇場(4.5畳公演)(4/7 ページ)

» 2018年11月14日 07時07分 公開
[土肥義則ITmedia]

カプセルの価格が上昇傾向に

土肥: 発売当初、380〜480万円で販売されていたそうですが、最近の相場はどのくらいでしょうか?

前田: ちょっと個人的な話をさせてください。ワタシは小学生のころから「このビルは何だろう?」と興味をもっていました。社会人になって、このビルの近くで働くことに。ビルを見ながら「部屋のナカに入りたいなあ。どんなところかなあ」と漠然と考えていました。たまたま歩いていると、電柱にこのようなチラシが貼っていました。「売り カプセル」と。

 当時、建物の取り壊しが決まっていたので、「なぜこのタイミングで販売するんだろう?」と疑問を感じていました。気になって不動産会社に連絡したところ「所有者がたくさんいるので、すぐに取り壊すことはない。1〜2年は住めるのでは?」と言っていたんですよね。この話を聞いて、衝動買いすることに(笑)。

 2010年に購入したのですが、このときの価格は400万円。取り壊しが決まった07年ころは、投げ売り状態になっていたそうで。100〜200万円で売買されていることが多く、中には税金などの負担を考えて、隣の住人に譲った人も。

 その後、保存活動にチカラを入れたこともあって、3〜4年前は500万円前後に。そして、直近は800〜1000万円ほどで売買されていることが多いですね。ちなみに、現在「中銀カプセルタワービルを購入したい」と手を挙げている人は75人ほど。たくさんの人が空き物件を探しているのですが、なかなか出ない状況でして。

左の扉を開けるとユニットバスがある

土肥: 賃貸はいかがですか?

前田: 家賃は月6〜8万円のところが多いですね。物件が出ても、すぐに埋まるといった感じ。「どこか空いていないですか?」といった問い合わせが多いのですが、ここ1〜2年は品薄状態が続いています。ちなみに、建物の見学ツアーを週3日ほど開催しているのですが、こちらもほぼ満員でして。

土肥: チョー人気物件じゃないですか。ツアーに参加している人たちからはどんな声がありますか?

残念ながらお湯は出ないので、シャワーを浴びることはできない

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