中国スマホに押されるApple、サービス事業にも影高級路線は正しいのか(1/2 ページ)

» 2018年11月15日 16時49分 公開
[ロイター]
photo 11月14日、米アップルのサプライヤー各社による業績見通しの下方修正が相次いだことで、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売台数が頭打ちになったとの懸念が広がった。写真は北京のアップルストア前で2016年9月撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)

[サンフランシスコ 14日 ロイター] - 米アップルのサプライヤー各社による業績見通しの下方修正が相次いだことで、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売台数が頭打ちになったとの懸念が広がった。クラウドなどのサービス事業を成長の柱に据える同社の戦略にも影を落とす可能性がある。

過去1年間、アイフォーンの平均販売価格は上昇を続けていたため、投資家は販売台数の不振をあまり気にかけてこなかった。しかしこのところ、同社は中国の小米科技(シャオミ)<1810.HK>など、中間価格帯のスマホメーカーによる攻勢にさらされている。

アップルは「アップル・ミュージック」や「iCloud(アイクラウド)」などの有料サービスの収入を増やしていく計画を何度も表明してきた。そのためには、アイフォーンを筆頭にアップル機器の保有者を増やす必要がある。

アナリストによると、世界中で使われているアップル機器13億台の約3分の2を占めるのがアイフォーンだ。

スマホ全体の販売が減速し、他社製品に比べて高価格のアイフォーンを敬遠する人々も多いため、アップルがシェアを保つのは難しくなるとアナリストはみている。この結果、バーンスタインのトニ・サッコナギ氏によると、サービス収入の伸びも圧迫されかねない。

インド、ブラジル、ロシアといった有望市場で販売台数を伸ばせないのであれば、ブランド力と、高級機種で1000ドル超という価格に力点を置き過ぎるアップルの戦略は、少なくとも一部が間違っているのではないか、と専門家は懸念している。

キャピタル・インベストメント・カウンセルの首席エコノミスト、ハル・エディンス氏によると、中国の高級スマートフォンメーカー、一加手机(ワンプラス)の「ワンプラス 6T」といった製品は、アイフォーンの約半分の価格でアイフォーンとほぼ同じ性能だ。

「ずっと安い価格で買えるスマホがたくさんある。スマホの世界は急速に変化しており、1000ドル路線を行くメーカーは好機を逃すだろう」という。

       1|2 次のページへ

Copyright © Thomson Reuters