2018年10月19日。曇天が広がるこの日、東京都新宿区にある日本青年館ホールに岡田さんの姿はあった。AKB48の小栗有以さんとともにダブル主演を務める舞台「マジムリ学園」の公演初日が行われていた。
この物語は、学園内のヒエラルキー制度、服従、暴力、殺人、裏切りなど、とてもアイドルグループが演じるとは思えないほどのシリアスな内容だ。岡田さんが演じるのはネロという、復讐に燃える女子高生で、暴力によって人々の心を支配していく。
「両親を殺されてしまう少女という、重い過去を背負った、難しい役どころでした。一番大変だったのは、最初は真っ直ぐに一生懸命頑張っている子が、だんだん頑張ることだけにとらわれて、悪い方向に変わっていき、それが周囲を支配するというさまを表現することでした。人間の変わりようを2時間という舞台の中で、いかにお客さんに伝えるかにすごく苦労しました。けれども、この役を経験したことで、人間としても、アイドルとしても、また一回り成長できたかなと思っています」
岡田さんは仕事の面で自分自身を最も成長させてくれたのが舞台だと話す。
「常日ごろから新しい経験ばかりで、それが全部自分の身になっているのはもちろんなのですが、自分の成長につながったなと思うのは舞台ですね。初めて立たせていただいたのが『AKB49〜恋愛禁止条例〜』というミュージカルでした。ミュージカルということで、歌もダンスもお芝居もしっかりやらないといけない。そんなすごく厳しい状況の中で、さらに演出家の方がとても怖くて……。何度も何度も怒鳴られて、怒られてということを繰り返す中で、徐々に成長を実感しました。歌って踊ることがアイドルの仕事なので、そのベースとなる力を身に付けるきっかけになりました」
そうした経験によって仕事に対する自信をつけるとともに、プロとしての自覚も芽生えたのだという。
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