――リモートワークで個人の生産性を高めるのはもちろんですが、地方に移住した人がその地域によい影響を与えることもあると思います。都会と地方で人材がもっと流動化すればいいのになと個人的には思うのですが、その辺りはいかがでしょうか?
藤井: 私は東京生まれなので、実は地方に住む気はあまりないのです。でも海外や地方に行く機会は結構あって、そういったときにふらっと立ち寄って仕事ができる場所があればいいのになと思うことはありますね。宿泊できるゲストハウスと、仕事をするコワーキングスペース、あとは食事処さえあれば、他拠点生活者や移動生活者が地方で1週間くらい生活することはできると思います。
彼らは移住まではしないにしろ、地方にお金を落とすわけですし、もしその地域が気に入れば「こんないいところがあるよ」とFacebookなどで拡散してくれます。それを見た人がまたその地域に来るという好循環が生まれます。そういう情報発信をしてくれる人が立ち寄りやすい場づくりが重要だと思っています。
岡山: 情報発信の面はそうかもしれませんが、地方が移住者を受け入れるためには、その地域にインフラが成り立っていないといけません。また移住者を雇用できるビジネスも必要になってきます。人口が減少する中で、インフラを維持できなくなる自治体もある程度出てくるという前提に立ったうえで、誰がどこで何をするのかということと、腰を据えて物事に取り組む人の必要性をあらためて考えなければならないと思っています。
藤井: それでいうと、いくら「景色がいい」とか「ご飯がおいしい」と言われても、日本の地方は大体どこも景色はいいですしご飯もおいしいのです。だからそれを言われても、「他の都道府県と同じだ」と思ってしまいます。だから例えば「インフラがしっかりしている」とか「面白い人がいる」といったような売りになるところがないと、なかなか立ち寄る気にはならない気がします。
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