資産の15%を失っても、あなたは夜寝られますか?渋谷豊の投資の教室(2/4 ページ)

» 2018年12月06日 07時40分 公開
[斎藤健二ITmedia]

渋谷: このブレ幅のことを投資ではリスクと言います。下がることだけがリスクなのではなくて、上がったり下がったりブレることをリスクと言うんですね。

  期待収益とリスクについて2つの分析をおこなうのが株式投資の基本です。ちなみに、このブレ、リスクは標準偏差で表わします。例えば来年5%の期待収益が見込める投資が、ブレ、つまりリスクがプラスマイナス10%だとすると、「期待収益が+5%で標準偏差が±10%だ」ということになります。この場合、1年後の株価のリターンは、66%の確率で期待収益の5%に+10%の15%の利益が上がるか、または、5%に−10%のマイナス5%に収まることになります。

正規分布と標準偏差。期待収益が正規分布するとすれば、標準偏差が+10%ならば、−10%から+10%の間に66%の確率で入ることを示している

サイトウ: リスクが重要とはよく言われますが、なぜブレるといけないんですか?

渋谷: 別にブレること自体はまずくありません。例えばGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という世界で最も多くの資金を運用する機関は、日本株は年間30%ぐらいブレるよねということを言っています。債券だと5%くらいかな。そういう数字を公にしているんです。

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