アジア攻めるNetflix、日本作品は生き残れるか 首脳部に直撃 映像ジャーナリスト数土直志が問う(6/7 ページ)

» 2018年12月10日 07時00分 公開
[数土直志ITmedia]

日本アニメ人気「驚くことではない」

――Netflixで日本アニメがよく見られていると語られていますが、これはリップサービスでなく、本当に信じてよいものでしょうか?

サランドス氏: 日本のアニメはNetflixでとてもよく見られていて、世界中に広がっています。ブラジルでも、ドイツでも、米国でも、アジアでも人気があります。とてもスリリングですね。なぜそんなに懐疑的なのですか?

――日本では日本のファン向けに作ったものが本当に世界に受け入られるか、少し自信がないところもあります。

サランドス氏: 日本アニメの人気は、全然驚くことではないです。アニメにはとても多くの作品があって、日本以外の視聴者もこれらに興味を持っています。とても才能にあふれていて、素晴らしいアニメーターやストーリーテラーがそれらを創り出しています。「DEVILMAN crybaby」は日本だけでなく、日本の外でも非常に人気になりました。

――今回発表されたタイトルには、日本と海外がコラボレーションした作品が多くあります。日本と世界をつなぐクリエーションは意識されているのですか?

サランドス氏: 日本のマンガを原作にしたものや、プロダクションI.Gのようなスタジオのオリジナル作品はとても重視しています。

 一方で私たちは、アニメを愛し、情熱を持っているクリエイターが世界で増えていることに気付きました。米国やフランスで生まれたそうした才能を私たちは日本とつなげています。日本のスタジオは彼らに大きなチャンスを与えているのです。アニメはロックとかSF、ファンタジーのような、より広い個別のジャンルなのです。

――2017年に米国でコミック出版社のミラーワールドを買収しました。これにはどういった意味があるのですか?

サランドス氏: 私たちはミラーワールドの“ユニバース”から展開するプロジェクトに可能性を発見し、とてもよい関係で協業しています。(ミラーワールドの)マークとは非常に密にコミュニケーョンを取っています。彼の創造に対する情熱は、私たちととても相性が良いのです。

 ミラーワールドは最初で、そして現在唯1つのNetflixの買収企業ですね。ただプロジェクトを進めるうえでは、ありとあらゆるものでなく戦略的に吟味したいと思っています。

――日本には数多くの出版社があるのですが、今後ミラーワールドと似たようなプロジェクトの可能性はありますか?

サランドス氏: それはよいアイデアですね。日本には非常に優れたIPやアイデアがあふれていますから。米国、英国と並んで世界でもトップ3に入るIPを生みだす国でしょう。

 私たちは強力なIPを非常に欲していますから、もし出版社が持っている作品群が魅力的であれば、積極的にアクセスしていきたいですね。

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