現代自はロイターに対し、Luxi株売却の理由について、「自社が追い求めるビジネスモデルに合わなかった」と書面で回答した。
また、同社の最高イノベーション責任者を務めるヨンチョウ・チ氏は、「通勤時間」が不特定のライドシェアリングに対する韓国の規制が理由の1つであり、Luxiがうまくいかないとの結論に至ったと説明した。
その代わり、現代自は今年、シンガポールの配車サービス大手グラブに2億7500万ドル投資している。
<規制の壁>
現代自とサムスンは、国内外の新興企業に投資している。
現代自は、自社の本社に近い国内スタートアップ企業はコミュニケーションがとりやすいとしている。一方、サムスンはロイターに対し、国内の起業家育成のため、5年間のスタートアップ支援プログラムを行っていると明らかにした。
それでも、チェボルの動きは遅すぎると言う人もいる。
「韓国の成功は、素早く模倣する戦略の上に成り立っているが、中国のライバル企業は急速に追い上げている」と、人工知能(AI)を手掛ける新興企業「Fluenty」の共同創業者、ファン・ソンジェ氏は話す。同社は昨年、サムスン電子<005930.KS>に買収された。
「企業にはもう、改革してスタートアップ企業と手を組むしか選択の余地はない。それでも、投資のスピードは十分ではない」と同氏は語った。「韓国企業は取り残される重大な危機に直面している」
規制ももう1つの問題だ。
投資規模で世界のトップ100に入る新興企業の約7割が、韓国の法律によって完全または部分的にサービス参入を阻まれていることが、グーグルキャンパス・ソウルと社会福祉財団「峨山(アサン)ナヌム財団」による共同調査で判明した。
そうした企業には、米民泊仲介サイトのエアビーアンドビー(Airbnb)、米配車サービス大手Uber、中国のオンライン決済大手アント・フィナンシャルなどが含まれる。
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