“大炎上”を引き起こす政治家と企業の「決定的な欠陥」とは世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2019年01月10日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 新年早々の1月3日、自民党の平沢勝栄・衆院議員の発言が炎上した。

 報道によれば、平沢議員は山梨県での講演で「性的少数者(LGBT)ばかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」という趣旨の発言をしたという。もちろん、個人がどう考えようが構わないのだが、政治家としてこれを公に言ってしまうのはあまりにも配慮が足りないと言わざるを得ない。

 もっとも、こうした日本の政治家による暴言・炎上騒ぎは数多く、もはや「またか」というくらいにしか感じていない人も多いかもしれない。例えば、暴言と言えば、麻生太郎副総理兼財務相だ。最近の発言だけを取り上げても、「セクハラ罪という罪はない」「(東京大学卒の市長に対して)人の税金使って学校行った」「『自分で飲み倒して、運動も全然しない人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしい、やってられん』と言った先輩がいた。いいこと言うなと思って聞いていた」などと語っており、ときには謝罪に追い込まれることもあるが、ご本人は意に介していないらしい。

 麻生副総理の主張も、彼個人の考え方だから別にいい。ただ政治家としての発言としては軽率だ。

 このように、政治家たちが相変わらず暴言を繰り返すのは、いわゆるポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)の認識が低いからだといえる。つまり、自分たちの意見が客観的に見て「ずれている」「偏っている」ことに気が付かない。もっと言えば、普段の会話の中でも、そうした話が出た際に苦言を呈してくれる人がいないということなのだろう。繰り返すが、彼らがどう考えようが自由なので、失言をしてしまう彼らの人間性を否定するつもりは毛頭ない。

photo 政治家の軽率な発言による炎上騒動が後を絶たない。炎上する政治家や企業に欠けている能力とは?(写真提供:ゲッティイメージズ)

 いずれにしても、国民を代表する政治家としてポリコレの感覚が足りないということに尽きるのだが、それは言い換えれば、ある能力が決定的に欠如しているということである。その能力とは「想像力」だ。

 ただ、「想像力の欠如」で炎上するというのは、政治家だけの話でもなければ、日本だけの話でもない。というのも、最近特に海外の大手ファッションブランドなども想像力の欠如が原因で次々と炎上しているからだ。

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