もちろん、こうした批判の声を最初に大ごとにするのは、イデオロギーが強い人だったり、活動家だったりすることが多い。そうした人たちはツッコミを入れる相手を探して常に目を光らせており、油断は禁物である。そして目をつけられたらアウトで、ネガティブなイメージが一気に拡散されることになる。
とはいえ、個人でも企業でも、単なる憂さ晴らしか、逆ギレ、いちゃもんに近いような批判も当然のことながら飛んでくるので、過度に神経質になる必要はない。だが常識的な範囲で想像力を働かせる必要がある。リスクマネジメントとして、今の時代はポリコレの部分にもう少し力を入れるべきだろう。
ここまで見てきた通り、日本の政治家だけでなく世界中で炎上している人たちも、基本的に想像力が欠けているのである。
他の例でも、日本では最近、『週刊SPA!』(18年12月25日号)が掲載した「ヤレる女子大学生RANKING」という記事が炎上している。記事に反対する署名運動が盛り上がり、同編集部が「お詫び」をするはめになった。これも、もし確信犯的な炎上商法でないのなら、この手の記事を掲載したら何が起きるのかを想像できなかった好例だと言えるだろう。
さらに想像力を働かせれば避けられたと思える最近の炎上ケースは他にもある。お笑い芸人、とろサーモンの久保田氏が、「M-1グランプリ2018」の審査員だった大御所の上沼恵美子氏に酔って文句を言う動画が公開された一件も、ちょっと考えれば避けられたものだろう。
こうした話は私たちの生活の中でも決して人ごとではない。想像力の欠如によるトラブルは、私たちの日常にも転がっているからだ。
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