ファミリーマートは廃棄ロス削減の一環として、2019年度に発売するおせちと大型のクリスマスケーキを完全予約制にする。4月10日、ファミマの澤田貴司社長が決算説明会の場で発表した。完全予約制に切り替えることで、店頭での売れ残りは理論上ゼロになる。大手コンビニ3社の中では初めての取り組みだ。
おせちやクリスマスケーキと同じカテゴリーになる季節商品には、特選弁当、恵方巻、(土用の丑の日の)うな重などが含まれるが、こちらは完全予約制には切り替えず、「予約をしっかりとったうえで、(当日分も)販売する」(澤田社長)という。
コンビニではおせちや大型のクリスマスケーキを事前に予約し、当日になってから店舗で受け取るお客は一定数存在する。商品の特性上、「その日になってから適当な場所で買おう」という購買行動にはつながりにくい。ただ、店舗の立地によっては、仕事帰りに家族の分を購入するお客が多いところもあり、当日販売する分を多くそろえるところもある。
しかし、恵方巻やうな重などの大量廃棄が社会問題化する中、コンビニにとっては廃棄ロス削減は避けては通れない課題になりつつある。そのため、コンビニ各社は予約販売の強化に近年力を入れてきた。
また、コンビニ各社は季節商品の廃棄量を公表していないが、世論の後押しを受けて廃棄量を削減する取り組みを進めているようだ。例えば、食品リサイクル事業を手掛ける日本フードエコロジーセンター(神奈川県相模原市)には、恵方巻の製造ラインを試験的に稼働させたり試作品をつくったりする過程で廃棄される恵方巻や、コンビニなどで売れ残った恵方巻が例年運び込まれているが、19年の分は18年と比べて減少していた。
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