1億総スマホ時代に本物そっくりの「ミニチュア公衆電話ガチャ」が生まれたわけタカラトミーのこだわり開発(1/2 ページ)

» 2019年08月10日 07時00分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 タカラトミーアーツが11月に「ミニチュアサイズの公衆電話」のガチャガチャを発売する。NTT東日本監修のもと、実物を細部まで再現。カプセルサイズでも、実際に電話をかけるときのように受話器を取ってダイヤルを回したり、ボタンを押したりできるようになっている。ラインアップは、レトロな「新形赤電話機」から2016年に登場した「MC-D8(ディジタル公衆電話機)」まで、全6種類。価格は1回300円(税込)。

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 スマホ全盛期の今、なぜ公衆電話をガチャガチャにしようと思ったのか。タカラトミーアーツとNTT東日本に話を聞いた。

「公衆電話は、ガチャのモチーフにならないか」

 タカラトミーアーツによれば、開発のきっかけはNTT東日本からの提案だったという。公衆電話の担当者がタカラトミーアーツの「郵便局ガチャコレクション」を見て、「公衆電話もガチャのモチーフにならないか」と相談を持ちかけてきたのだ。

photo 郵便局ガチャコレクション(タカラトミーアーツのサイトより)

 タカラトミーアーツは「郵便局、信号機に続く、“街角公共物シリーズガチャ”の第3弾としてNTT東日本とコラボできるのは、理想的な流れだった」と当時を振り返る。しかし、最初は「公衆電話に触ったことのない世代が増え、設置台数も減っている。ガチャユーザー向けに商品化するのは難しいのではないか」という不安もあったという。

 商品化を決めたきっかけは、同時期に発生した大規模な携帯電話の通信障害だった。「公衆電話に大行列ができたが、使えない人も多かった」というニュースを見たタカラトミーアーツの企画担当者は、自分も2011年の震災時に公衆電話を利用したことを思い出し、災害時のインフラとしての公衆電話の重要性を再認識したという。

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