一風堂が外資系高級ホテル「ザ・ペニンシュラ」で1杯3400円のラーメン 替え玉と半ライスもルームサービス用に改良(1/3 ページ)

» 2019年08月28日 15時29分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 大手ラーメンチェーンの一風堂が、ホテルのルームサービスに進出した。外資系高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」(東京都千代田区)とタッグを組み、19年7月中旬から全客室でラーメンを提供している。

 商品名は「ザ・ペニンシュラ東京”マイラーメン”by 一風堂」(税別3400円、別途サービス料あり)。1杯3400円はラーメンの価格としては破格ともいえる値付けだが、狙いは何だろうか。ザ・ペニンシュラ東京のスイートルームで行われた試食会に行って背景を探った。

スイートルームにはジムあり書斎あり……

 今回、試食会が行われたのは、最上階に位置する客室の「ザ・ペニンシュラスイート」。担当者によると、宿泊料金は1泊200万円ほどとのこと。客室の中にはプライベートジムや書斎、茶室などがあり、広さは347平方メートル。宿泊者には24時間体制でバトラー(執事)が付くという。

スイートルームはもはや「家」

 ザ・ペニンシュラ東京の副総支配人ジョセフ・リー氏によると、インバウンド需要の高まりとともに外国人の利用者が増加。現在では、7〜8割ほどが外国人客だという。また、ラーメンは今や「日本のソウルフード」として外国に知られているといい、多くのお客からラーメンについての問い合わせがあるとのこと。中には「一風堂はどこにありますか」という質問もあり、「ラーメンを提供するに際して、日本のトップブランドである一風堂がまず思い浮かんだ」(ホテル担当者)ことで、一風堂とのタッグにこぎ着けた。

「臭い・汚い・怖い」今は昔

 一風堂は、1985年に創業。一風堂の担当者によると、「豚骨ラーメンは当時『臭い・汚い・怖い』の『3K』だった」。しかし、94年に新横浜ラーメン博物館の初代テナントとして迎え入れられたのが転機となり、国内での知名度が上昇。臭みを抑えたスープを武器に、今や14カ国に店舗を展開し、1日に平均8万食を売り上げるほどに成長した。ラグジュアリーホテルで提供するのは、一風堂ブランドの認知度を向上させ、海外への出店を加速させたいと考えているからだ。

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