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くら寿司が気合を入れた「グローバル旗艦店」をオープン エンタメと最新テクノロジーの全容とは?お店最前線 来店してもらう仕掛けとは?(1/3 ページ)

» 2020年01月29日 06時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

お店最前線 来店してもらう仕掛けとは?

消費増税の影響やECサイトの広がりにより、わざわざリアル店舗に来店してもらうための工夫が求められている。消費者に支持されるため、各社はどのような取り組みをしているのか。最新事例を追った。

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 大手回転寿司チェーン「無添くら寿司」を運営するくら寿司は、1月22日にグローバル旗艦店の1号店「くら寿司 浅草ROX店」(東京都台東区)をオープンした。

 くら寿司は2020年を「第2の創業期」と位置付けている。全世界の店舗数を495店(19年10月末時点)から1000店まで増やす。売上高も1361億円から3000億円まで拡大させる計画だ。

 20年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるため、多くの外国人観光客が日本を訪れると予想されている。そこで、同社の認知度を高める拠点として旗艦店をオープンした。敷地面積は国内最大の255坪(一般店舗は125坪)で、座席数も国内最大となる272席(一般店舗は199席)というスケールだ。

 同店は、規模が大きいだけでなく、エンタメ要素を強化し、店舗運営に最新のテクノロジーを導入している。他の店舗とどこが違うのだろうか。

世界104言語に対応した音声翻訳機を使用する

エンタメ要素を強化

 くら寿司は店内のアミューズメント化を推進してきた。その理由を田中邦彦社長は「安い、うまいだけでは成り立たないから」と説明する。その象徴的な存在が、2000年に導入された「ビッくらポン!」だ。これは、5枚のお皿を専用の回収ポケットに入れると、抽選ゲームが1回できるというものだ。当たりがでると、景品の入ったカプセルが出てくる仕組みになっている。

射的コーナー

 新しくオープンした旗艦店ではビッくらポン!をさらに進化させた。店内には射的や輪投げを楽しめる「縁日スペース」が併設されている。ビッくらポン!のカプセルの中に、縁日スペースの利用券が入っており、射的や輪投げの賞品として子ども向けのおもちゃを用意した。

 店内は和を意識した装飾に統一してある。クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏にデザインを依頼。店内には、鬼のお面や江戸時代に活躍した歌川広重の浮世絵が飾られている。白木を利用したテーブル、畳を使用した椅子などもあり、全体として江戸時代をイメージしているという。これは、日本のお客だけでなく、外国人観光客にとってもSNS映えする仕掛けだ。

店内は和の雰囲気

 くら寿司は、旗艦店のオープンに合わせて、これまで国や地域でバラバラだったロゴも統一した。旗艦店には、新しいロゴの巨大なちょうちんが飾られている。新ロゴを世界中に発信する狙いがある。

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