金融機関は破壊的技術のリスク評価に苦戦 AI導入リスクの適切評価は11%

» 2020年01月29日 16時04分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 アクセンチュアが2019年に行った調査によると、金融機関は破壊的技術のリスクを適切に評価できていない。人工知能(AI)を導入する際のリスクを適切に評価できると回答した、リスク管理部門管理職はわずかに11%。ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)やブロックチェーンのリスクについては、それぞれ9%、5%とさらに低かった。

破壊的技術を導入する際のリスクを適切に評価できると回答した、リスク管理部門管理職の比率

 アクセンチュアは「リスク環境が変化と進化を続けるなか、データ漏洩に対する防御や相互に関連した新しい脅威への対応はますます複雑化しています。問題は、リスク管理を担う管理職がテクノロジーと同じペースで進歩できていないことです」とコメントしている。

 リスク管理部門では、高度なテクノロジーの導入は限定的だ。AIや予測モデリングなどの高度な手法を使っているのは40%に留まり、機械学習に至ってはわずか10%だった。

 調査によると、サイロ化されて保存されているデータ、不明瞭な規則やレガシーシステムとの連携という、3つのデータに関する課題が、リスク管理部門の高度なアナリティクスの導入やテクノロジー導入を妨げているという。

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