新型コロナ、小売店への影響は? 1月16日以降、来店者数は半減近くに 売上高は……ウィンドーショッピング層が減少か

» 2020年03月12日 10時55分 公開
[ITmedia]

 新型コロナウイルスの影響が広がる中、小売店舗へはどのような影響が出ているのか。企業へ人工知能(AI)導入支援などを行うABEJA(東京都港区)は3月12日、カメラやセンサーを使って来店者の情報を分析する同社のサービス「ABEJA Insight for Retail」を導入している全国約700店舗を対象に行った調査結果を発表した。

「ABEJA Insight for Retail」のイメージ画面(出所:ABEJA発行のプレスリリース)

 調査では、「来店者数」、店舗の入り口前を通った人の数である「店前通行者数」、そして「店舗売上高」の3点について、平均値を算出。1月16日〜3月8日における推移を調査した。

 国内で初めて感染者を確認したと発表があった1月16日以降、2月末までにかけて各指標は前年同期比で減少を続けた。経済産業大臣が企業に対して時差出勤やテレワークを推進するよう表明した2月25日以降は特に減少。2月25日〜3月2日の期間では、店前通行者数が前年同期比68.5%、店舗売上高は同62.7%まで減少。来店者数は同53.9%と、半減近くまで落ち込んだ。その後、3月2日以降は来店者数、店前通行者数ともに横ばいとなったが、店舗売上高はさらに減少。前年同期比55.1%まで落ち込んだ。

期間中の各指標推移(出所:ABEJA発行のプレスリリース)

 同社の担当者は、今回の結果について「店舗の売上減少に大きな影響を与えた要因については、来店者数の減少だけでなく、営業時間の短縮や、臨時休業対応、そして消費者がECサイトでの購買に移っているためと推測しています」とコメント。店前通行者数よりも来店者数の減少が顕著な点から、「ウィンドーショッピング」層が減り、最初から買うものを決めている「目的購買層」や、「ブランドファン層」への訴求が今後のポイントになるとしている。

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