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新型コロナ下、正社員と非正規の残酷な「テレワーク格差」明らかに2.5万人緊急調査(1/2 ページ)

» 2020年04月17日 16時20分 公開
[ITmedia]

 人材系シンクタンクのパーソル総合研究所(東京・千代田)は4月17日、7都府県で緊急事態宣言が出た直後に実施した、全国2万5000人規模のテレワーク実施状況の調査結果を発表した。テレワークを実行している人の不安や課題などに加え、新型コロナウイルスの脅威が広がる中、正社員と非正規の人の間で、テレワークを実施できるかどうかの「格差」が生まれている現実が浮き彫りになった。

photo 新型コロナが拡大する中で露呈した正社員と非正規の「テレワーク格差」(写真はイメージ。提供:ゲッティイメージズ)

非正規のテレワーク実施率わずか17%

 調査は全国の働く20〜59歳の男女約2万5000人が対象で、そのうち約2万2000人が正社員、残りが非正規雇用。7都府県で緊急事態宣言が出た日(4月7日)の直後に当たる、10〜12日にWeb上で実施した。一部の項目は500人程度に人数を絞って質問している。

 まず、雇用形態でテレワーク実施率を分析したところ、全国の正社員は27.9%だったのに対し、非正規は17%。10.9ポイントもの差がついた。

photo 雇用形態別のテレワーク実施状況(パーソル総研「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」第2回)

 パーソル総研の担当者は「テレワークしづらい飲食・小売りは非正規雇用が多い業界でもある。加えて派遣社員は契約上、勤務地が限定されている場合が多く、紙の書類を扱う事務職が多いことも影響しているのでは」と分析する。

 本調査では、テレワークが大企業で積極的に推進される一方、中小ではあまり実施されていないという結果も出ている。政府が社会全体に「出社7割減」を要請する反面、テレワークが大企業の正社員にばかり適用され、非正規雇用にしわ寄せが行くことが懸念される。

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