検察庁法騒動から見る、Twitterの“大きすぎる影響力”と功罪世界を読み解くニュース・サロン(1/6 ページ)

» 2020年05月21日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 5月18日、安倍晋三首相が首相官邸で記者の質問に答え、賛否が飛び交っていた、検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案について言及。今国会での成立は見送られた。

 政府が成立を見送った背景には、Twitterでの反対運動が高まり、それをメディアが大きく取り上げたことがある。世論調査で反対が圧倒的に多くなったことも、安倍首相が「国民の皆さまのご理解なくして、前に進めていくことはできないと考える」と語った理由だろう。

 芸能人や文化人などをも巻き込んだTwitterでの反対活動が政府の動きに作用したということだが、匿名でいくつもアカウントが作れてしまうTwitterがこれほどの影響力をもったことに、あらためて驚かざるを得ない。それと同時に、次々と自動でツイートやリツイートができるプラットフォームの中で、ツイート数で現実世界に向けて勢いを誇示し、勢力を拡大するという事象にも不気味な感じを禁じ得ない。

 今回の騒動では、そんなTwitterでの投稿をめぐって、いくつかの重要な指摘がなされていた。そこであらためて、影響力を持ち過ぎた、一民間SNSであるTwitterというプラットフォームをどう捉えるべきか、海外での事例も踏まえながら考察してみたい。そこにはビジネスパーソンも知っておくべき、驚くような実態がある。

Twitterで巻き起こった運動が政府の決定に影響を与えた(写真:ロイター)
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