日本人の投資といえば日本株が当たり前だった。ところが若者を中心に、米国株取引が急増している。楽天証券によると、同社で米国株を取引する人の数は、前年比で数倍以上に増加した。その背景には何があったのだろうか。
各社の統計やアンケートを見ると、年々海外株式への関心は高まってきている。日本証券業協会の調べによると、売買金額は徐々に増加し、最近では年間20兆円規模まで拡大してきた。東証一部の598兆円(2019年)には及ばないが、東証マザーズの24兆円に迫っている。
楽天証券の株式・デリバティブ事業部 紙田智弘氏は、「海外株式は、1株から取り引きできるということで、若い人、少額で投資する人が増えている」と話す。通常100株単位での取り引きとなる日本株と違い、米国株は1株単位。世界的に有名な企業にも、小さな金額から投資できる。
伸びてきているのが、金融資産が少ない若い人の取り引きだ。楽天証券の米国株取引ユーザーを見ると、30代が最も多い。さらに50代や60代といったシニア層よりも、20代のほうが多いことが特徴だ。しかも「直近口座開設をした人で、米国株取引をしている人が多い」(同)といい、新規顧客の受け皿となっている。
1注文あたりの取引金額も小さくなってきた。いまや日本株よりも1注文あたりの金額が小さくなっており、「小口のお客さまが増えてきている」(同)。
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