カプセルトイ市場が伸びていることをご存じだろうか。玩具業界紙『トイジャーナル』の調査によると、カプセル玩具の市場規模はここ20年ほど、250億〜330億円で推移してきたが、19年度には400億円に達したという。
「ふむふむ、それはなんとなく分かる。街中を歩いていても、カプセルトイの自販機をよく目にするようになったからなあ」と思われたかもしれない。感染症拡大によって、空港でのインバウンド需要は蒸発したものの、コロナ禍の影響を強く受けたテナントの跡地に、自販機がじわじわ増えているのだ。
カプセルトイが日本に登場したのは、1965年のこと。当時の価格は1個10円。その後、70年代に人気を集めたのは「スーパーカー消しゴム」である。83年には「キン肉マン消しゴム」(キンケシ)が登場し、出荷数は1億8000万個を記録したそうで。2000年代に入ると、「コップのフチ子」シリーズが大人の女性にウケ、一気に客層が広がったのだ。
そんなこんなで、カプセルトイ市場は人気コンテンツの登場によって盛り上がって、その後は落ち着いて、また盛り上がって……を繰り返してきたわけだが、今回のブームは過去のものとは違う。「めちゃめちゃ人気があるのは、コレ!」といった大ヒットコンテンツはないものの、市場が大きくなっているのだ。
そんな状況のなかで、筆者が気になっているアイテムがある。カプセルトイの景品なのでサイズは小さいが、どれもこれも「リアル」なのである。例えば、家具ブランド「カリモク60」で実際に販売されているテーブルなどをミニチュア化。実物を忠実に再現しているだけでなく、ソファの場合、座り心地ではなく“さわり心地”も楽しめるような工夫が施されているのだ。
このほかにも、DIY好きな人にとってはたまらないボッシュの電動工具や、オーディオ機器を扱っているオンキヨーの名機、コメダ珈琲の小倉シロノワール、月桂冠の日本酒など、全てのアイテムが細部にわたって再現されているのだ。これらの商品を開発しているのが、東京の千代田区に拠点を置くケンエレファントである。
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