株式会社パトス代表取締役。
先日、国税庁から2020年の給与所得の統計が公表されたが、2年連続のマイナスだという。ビジネスマンの給料の減少が止まらない。
それほど企業の業績がひどいかといえばそうでもない。確かに、このコロナ禍によって、サービス業を中心として大きな打撃をこうむった企業は数知れない。しかし、以前に発表されたように、昨年度の税収はプラスだった。企業の収益は向上したにもかかわらず給与は下がっているのだ。
所得が減少したのは、残業代が減少したからだという意見もよく聞くが、逆に考えれば、企業は、残業代を払わなくても、収益を確保することができたのだ。
コロナ禍においても、大企業を中心に業績を大きく落とすこともなかったのは、これまでの日本のバリューチェーンが素晴らしすぎたのだ。そういう意味では、優秀な企業においては、従業員が仕事(残業)をしてもしなくても、それほど結果は変わらなかったという状況なのだろう。
むしろ、余剰な仕事があぶりだされ、結果に結び付かなかった仕事をしていた人たちが仕事をしなくなっても、組織側としては、業績に何の変化もなかったということか。極端に言えば、仕事をしなくなった分の人件費は削減され、企業の利益は増加した。
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