サイバーエージェントが10月27日に発表した2021年9月期通期(20年10月〜21年9月)の連結決算は、売上高が前期比39.3%増の6664億円、営業利益が208.1%増の1043億円で着地し、大幅な増収増益で過去最高を更新した。また、純利益は528.8%増の416億円となった。
増収増益を支えたのは「ウマ娘 プリティーダービー」などのゲーム事業だ。ゲーム事業単体での売上高は2627億円、営業利益は964億円と全体の営業利益のほとんどを占めている。
「ウマ娘」は21年2月に提供を開始。約7カ月で1000万ダウンロードを突破し、ゲーム事業の大きな柱となっている。藤田社長は「ウマ娘は当社としても大事なIPのため、今後も大切に運営していく。ゲーム事業は大型化しており、組織力・技術力・ノウハウ・資金力が問われるセグメントになっている。今後も継続的にヒットを出していきたい」と話した。
ABEMAを含む赤字続きのメディア事業においては、売上高が前期比45.1%増の828億円、営業損益はマイナス151億円で着地した。17年以降の赤字金額としては最も低い数字となった。藤田社長は「ABEMA増収で、改善フェーズに突入した」と好転の兆しを示した。
ABEMA増収の要因については、「MLB」などのスポーツや「虹とオオカミには騙されない」などの恋愛バラエティコンテンツが、WAU(1週間当たりの利用者数)を押し上げたことがあるという。
また、ABEMAをテレビで視聴する人が21年9月には、17年9月から3.5倍の14%に増加している。このことから、無料、同時性というテレビの良さを残しつつ、時間場所を問わない視聴を可能にし、ABEMAを「新しい未来のテレビ」として訴求する方針を明らかにした。
藤田社長は今後の中長期戦略について「広告事業とゲーム事業で積み上げた利益をメディア事業に投資し、安定的な収益を生む柱に育てていく」とした。
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