元バイトAKBのラーメン店、産地偽装は返金で許されるのか?専門家のイロメガネ(1/4 ページ)

» 2021年11月17日 07時00分 公開
[及川修平ITmedia]

 先日、元バイトAKBの梅澤愛優香さんが経営するラーメン店「麺匠 八雲」で食材の産地偽装があったと報じられた。店側は表記と違う食材を使用していたことを認め謝罪、公式サイトには返金の対応を取ることが掲載された。

ラーメン店「麺匠 八雲」

 今回の騒動は、2つのラーメン店を経営する店主の梅澤さんが、Twitterで「告発」をしたことが発端だ。

 「ラーメン評論家からのセクハラや誹謗(ひぼう)中傷があまりに酷いので出入り禁止にする」と書き込んだことが各種メディアで取り上げられ大きな話題となったが、その直後に週刊文春で産地偽装が報じられると当初の告発騒動がブーメランのように跳ね返った。

 週刊文春のインタビューでは産地偽装を認め、「当初は表記通りの食材を使っていたが複数店舗の経営で忙しくなり管理ができなくなっていた。すでに消費者庁には報告している。故意ではなく表記ミスである」と答えている。

 今回のトラブルは梅澤さんが元アイドルで直前に告発騒動もあったことから、経営者の個人的な炎上のように捉えられているが、それらの要素を取り除けばコンプライアンスやガバナンスの問題にいきつく。

 飲食店の産地偽装は過去に何度も繰り返されてきたが、ミスや勘違いで済まされる軽い問題ではない。その一方で一件当たりの「被害」は少額であることから解決が難しい問題でもある。

 消費者トラブルを専門とする司法書士の立場から、産地偽装の問題を考えてみたい。

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