映画『アバター』の聖地も便乗、メタバースに群がるにわか専門家浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(1/4 ページ)

» 2021年11月25日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

 フェイスブックが社名を「メタ(Meta)」に変更し、「メタバース」への関心が急速に高まっている。

 実際のところメタバースの定義さえ曖昧だが、中国では「金を産みそうな未来技術」として言葉が一人歩きし、ひともうけを企むインフルエンサーや企業が湧き出て収拾がつかなくなっている。

「メタバース元年」の中国では「金を産みそうな未来技術」として、メタバースという言葉が一人歩きし、ひともうけを企むインフルエンサーや企業が湧き出て収拾がつかない状況だ(提供:ゲッティイメージズ)

中国は「メタバース元年」

 メタバースはざっくりいうと「人々が集い、現実に近い体験ができる仮想空間」で、目新しい概念ではないが、中国では「メタバース元年」という言葉が春先から流行語になりつつあった。

 今年3月には、中国のメッセージアプリ「WeChat」を運営するテンセント(騰訊)が出資し、メタバースの実現に最も近い企業の一社とされる米ゲームプラットフォーム「ロブロックス(Roblox)」が上場。これに続いて、夏にはTikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)が中国最大のVR機器メーカー「Pico」を50億元(約900億円)ドルで買収したことが明らかになったからだ。

 フェイスブックが10月末に社名を変更すると、それまでも上昇基調だったVR、ゲーム関連企業の株価はストップ高となり、深セン証券取引所が対象企業に質問書を出す事態に至った。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.