「サントリー1万人の第九」コンサートで投稿動画データを解析 編集時間を40%削減

» 2021年12月21日 18時07分 公開
[季原ゆうITmedia]

 テクノロジー領域からDX推進支援を手掛けるモンスターラボホールディングス(東京都渋谷区)は、毎日放送(MBS)主催の音楽コンサートにおいて、1万4215件分の一般投稿動画による合唱を、IT技術活用により実現した。前年と同様の作業と比較して、MBSの編集作業時間を40%削減したという。

「第39回サントリー1万人の第九」イベント開催時の画像 提供:MBS(以下リリースより)

 モンスターラボは、MBSの音楽イベント「第39回サントリー1万人の第九」のために募った一般投稿動画に、画像認識AIや音声信号処理による解析と調整を実施。一つ一つの動画をまとめる編集などを担当した。

 複数の音声信号技術を用いて、全動画での歌い出しのタイミングを合わせた。また画像認識AIにより、投稿者全員がそろって歌っているように見える画像の制作に成功している。複数のIT技術の組み合わせにより編集初期の手間を効率化したという。

 同イベントは1983年から続いているMBSが主催する師走の音楽イベントで、ベートーヴェンの「第九」を1万人が合唱するコンサートだ。昨年に続きコロナウイルスの感染拡大防止のため一般合唱団の参加を見送り、約1万件の合唱動画を会場に流す形で開催された。

 MBSサントリー1万人の第九担当者は以下のようにコメントしている。

 「モンスターラボのIT技術を使い、機械的なプレ編集作業の部分をAIに任せ効率化を図ることで、当社の編集スタッフはその素材動画を、いかに編集して送っていただいた方々の思いを表現するか、に時間を割いて集中することができました。その結果、より音楽性の高い第九歌唱動画をつくりだすことができました」

出雲市DXアドバイザーを務めるモンスターラボ ホールディングスの鮄川宏樹CEO(左)と、出雲市市長の飯塚 俊之氏

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