女性の「転職求人倍率」コロナ前の104.1%まで回復 求人数が右肩上がりの職種は?調査で判明(1/2 ページ)

» 2022年01月19日 15時45分 公開
[ほしのあずさITmedia]

 キャリアデザインセンター(東京都港区)が運営する「女の転職type」は、掲載情報を基に2021年の女性の転職市場を前年、前々年と比較した調査結果を発表した。転職求人倍率は21年12月時点でコロナ前(19年)の104.1%にまで回復していることが分かった。

転職 転職求人倍率はコロナ前の104.1%に回復している(画像提供:ゲッティイメージズ)

 転職求人倍率は、緊急事態宣言後の20年5月に大きく低下したものの、21年7月以降徐々に復調。21年11月にはコロナ前である19年と比べて104.3%と、コロナ前を上回る数値にまで回復していることが分かった。掲載求人数は20年3月以降、19年の数値を下回り続けていたが、21年7月以降はすべて上回る結果となった。

 同社は「新型コロナウイルスワクチンの接種率も上がり、徐々に先の見通しが立てやすくなった中で採用を再開した企業が増えてきたことが要因と考えられる」と指摘する。

転職 21年11月以降はコロナ前よりも転職求人率が上がっている(キャリアデザインセンター調べ)

 コロナ前の19年と比較して、転職求人倍率が唯一上昇したのは、「エンジニア、技術者、IT、システム系」職種の111.6%だった。20年に引き続き、エンジニア職種の採用ニーズは高い状態が続いているようだ。

 一方で、「サービス、販売系」職種は47.4%と、19年の半分以下だった。20年と21年の転職求人倍率を比較した際、唯一下がっているのも「サービス、販売系」で、求人に受かりにくくなっていることが読み取れる。

転職 サービス、販売系の転職求人倍率は下がっている(キャリアデザインセンター調べ)

 エンジニア職種への求人数、応募人数は、20年以降ともに右肩上がりの傾向となっている。21年12月の実績では、19年1月の約2.4倍の求人数であることが分かった。応募人数の増加幅よりも求人数の増加幅が大きいため、転職求人倍率が19年比で伸びる結果となった。

転職 エンジニア職種は応募数以上に求人数が増加している(キャリアデザインセンター調べ)

 サービス、販売職種への応募人数は、20年以降ゆるやかに右肩上がりである一方、求人数は20年5月以降急激に減少している。21年12月の時点でも、求人数は19年1月と比べ85.2%しか戻っていない。緊急事態宣言の解除により、徐々に外出する人が増え、サービス・販売職種の採用ニーズも上がっていくことが予想されるが、21年時点ではまだ復調しきれていないことが分かる。

転職 サービス、販売職の求人数は現在もコロナ前までは戻っていない(キャリアデザインセンター調べ)
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