卵使わない卵商品「ほぼたま」 キユーピーが市販化3月17日から首都圏で通信販売

» 2022年03月14日 16時45分 公開
[ITmedia]

 キユーピーは、卵を使わず植物性の原材料だけで作った卵風の商品「HOBOTAMA(ほぼたま)」を、3月17日から一般消費者向けに通信販売する。これまでは業務用のみでの販売だったが、卵アレルギーを持つ消費者などから要望を受け、市販化を決めた。近年、植物由来の原材料を用いたプラントベースフード市場が拡大する中、多様化する食のニーズに応えていきたい考えだ。 

加熱用液卵風は素材としてさまざまな料理に使うことができる(提供:キユーピー、以下同)

 販売するのは「HOBOTAMA 加熱用液卵風」(182円)と「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」(214円)の2商品。いずれも卵1個分に相当する60グラム。卵を使わず、アーモンドや大豆などの植物性主体の原材料を用いている。栄養価で見ると、たんぱく質の量は加熱用液卵風が実際の卵の3分の1、スクランブルエッグ風が5分の1となっているが、実際の卵には含まれていない食物繊維が豊富だという。

スクランブルエッグ風は下味がついているのでそのままでも食べられる

 同社は昨年6月から、スクランブルエッグ風を業務用で販売開始。卵アレルギーに悩む消費者から多くの反響が寄せられ、今回の市販化につながったという。

 商品は、アマゾンが展開する生鮮食品配送サービス、Amazonフレッシュで3月17日より順次、通信販売する。販売対象はまず、東京都、神奈川県、千葉県の一部エリアに限定し、需要がどれぐらいあるか確認する。売れ行き次第で、販売エリアの拡大や店頭販売も検討する。

 同社によると、プラントベースフードの国内市場は2021年で約300億円規模。20年の約250億から3割成長しており、今後も拡大していくとみられている。同社は、5年後にプラントベースフード全体で5億円の売り上げ規模を目標に掲げている。

 一方で、プラントベースフード市場を占めるのは現状「植物肉」が中心。商品部次長の伊藤綱規さんは「卵分野はまだまだ黎明期。市販化を通じてマーケットの活性化につなげたい」としている。

加熱用液卵風を用いて作ったチャーハン。クッキーや豆乳プリンなどにもアレンジできる
スクランブルエッグ風を用いて作ったオムライス風プレート

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