過去の汚名を背負いながら戦うファイター・秋山成勲という男:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)
総合格闘家の秋山成勲が、再びリングに立つ。桜庭和志戦の“ヌルヌル事件”をきっかけに、すっかり「ヒール」になってしまったが、秋山の経歴を追いながら人物像に迫ってみると波乱万丈な半生が見え隠れする。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
総合格闘技「UFC」のアジア進出が本格化している。9月27日に行われる日本大会(さいたまスーパーアリーナ)から2カ月後、韓国でも11月28日に「UFCファイトナイト・インソウル(UFN79)」(ソウルオリンピック体操競技場)が開催される。
UFCとしては初の韓国大会で、アジアでのイベントは日本、フィリピンに続いて3カ国目。世界で最もメジャーな総合格闘技団体は近年、韓国においても注目度が著しくアップしている。「PRIDE」など超人気MMA(総合格闘技)イベントの消滅によって総合格闘技人気が下火でくすぶったままとなっている日本の現状を考えれば、アジア戦略を狙うUFCにとって将来的に伸びしろがありそうな韓国進出は今後より力を入れなければならない重要な案件だ。
その強い姿勢の現れとして、2カ月後に開かれる韓国大会のPRを兼ねた記者会見に登壇したのは、同国内でも人気の高い格闘家たちの面々。9月8日、ソウル市内で行われた会見に出席者したメンバーは韓国人ウェルター級ファイターのキム・ドンヒョン、MMAのレジェンドとして日本でも人気の高いミルコ・クロコップ、元UFC世界ライト級王者で韓国系米国人のベンソン・ヘンダーソン、そして日本でもお馴染みの秋山成勲だった。
この日の会見場で秋山は「UFC大会では私の真の姿が見られるだろう。良い試合を展開したい」と意気込み、並々ならぬ決意をのぞかせていた。UFCのエグゼクティブバイス・プレジデント兼UFCアジア代表のケン・バーガー氏も「アキヤマが韓国、日本を含めアジアでの大会において今後ファイター、アドバイザーの両面で活躍してくれることを期待している」とエールを送っている。
UFCからも厚い信頼を得ている“コリアンファイター”。入場する際の柔道着の肩部分に太極旗を付けている40歳のベテラン格闘家・秋山のこれまでの経歴を追いながら人物像に迫ってみると「光と影」の波乱万丈な半生が見え隠れしてくる。
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