どのくらいもらえるの? コンビニの収入事情:コンビニ探偵! 調査報告書(1/4 ページ)
コンビニオーナーの収入はどうやって決まるのだろうか。フランチャイズ契約における計算方法は複雑で、きちんと理解している人は少ない。今回は、収入の計算方法をフランチャイズ契約の現実も交えて説明する。
コンビニ探偵! 調査報告書:
「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
コンビニオーナーの収入は、どのように計算されるのかご存じだろうか? フランチャイズ契約における計算方法はとにかく複雑で、筆者の知る限り、現役のオーナーでさえきちんと理解している人は少ないように思う。
そこで今回は、コンビニオーナーの収入について、なるべく分かりやすく書いていくことにする。
オーナーの給料計算はとにかく複雑
例えば、一般的な個人経営の店なら、80円で仕入れたモノを120円で販売し、差額の40円が粗利益、そこから経費などを引いて利益となる。これでもそこそこ複雑な計算ではあるが、コンビニの場合は「ロイヤルティー」というものが発生し、本部とオーナーとで利益を一定の割合で分配することになっている。
ロイヤルティーとは、ライセンスに対して支払う対価や報酬のことで、特許権料のことを指す。また、契約内容によっては、その割合が段階別に変わることもある。コンビニ各社のオーナー募集のサイトを見ると、契約の種類やロイヤルティーについての説明が記載されている(「チャージ」や「フィー」と表記しているところも)。
ただ、新規オーナー向けのページのためか、細かい計算のロジックまでは明記されていない。コンビニをはじめフランチャイズ契約の多くは、基本的な部分は本部が計算し、ひと月分の利益をオーナーの口座に振り込むという形なので、計算方法の複雑さを理解しないまま運営しているオーナーもいる。
セブン-イレブンの「Aタイプ契約」を見ると、セブン-イレブンチャージ(ロイヤルティー)は、「売上総利益に43%の率を乗じた金額」と記載されている。逆の見方をすれば、売上総利益の57%がオーナーの取り分ということになる。ただ、ここで注意すべきは、売上総利益すべてがオーナーのポケットに入るわけではないということ(参照:「セブン-イレブン フランチャイズ(Aタイプ)契約の要点と概説」一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会)。
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