英国のEU離脱、今後の世界経済の見通しは?:証券アナリストに聞く
英国で行われた国民投票で、同国のEU離脱が決定的となった。これを受けて世界経済は大荒れ状態に。今後の見通しを証券アナリストに聞いた。
6月24日(英国時間)、英国の欧州連合(EU)残留あるいは離脱を問う国民投票で、離脱を求める票が過半数に達した。この“ブレグジット(英国のEU離脱)ショック”を受けて、世界経済は大荒れになっている。
日本では6月24日に円相場が一時1ドル=99円台と、2013年11月以来、約2年7カ月ぶりに1ドル=100円を突破する円高水準となった。また、日経平均株価の終値は前日比で1286円安の1万4952円02銭と、1年8カ月ぶりの安値を付けた。
英国のEU離脱に伴う今後の世界経済の見通しについて、楽天証券経済研究所の香川睦シニアグローバルストラテジストは、いくつかのポイントを挙げる。1つは、今夜の米国市場の反応だ。23日(米国時間)のニューヨーク株式市場では、英国EU残留との見通しが優勢だったため、ダウ平均は前日から230ドル24セント高い1万8011ドル7セントで取引を終えたが、24日には一転、大幅反落が予想されるという。
もう1つは、EU加盟国の「離脱ドミノ」である。スペインでは6月26日に総選挙を控えており、反EUや反移民を掲げる政党が勢い付くと見ている。他の加盟国でも英国を引き金にして離脱の動きがドミノ的に広がっていく恐れがあるとする。
日本企業に関して、特に自動車業界への影響を指摘する。例えば、トヨタ自動車では、1円円高になれば年間利益は400億円マイナスになると言われている。同社の今期業績において為替レートは米ドル105円と見ているため、仮に1ドル=100円で推移した場合、業績の大幅な下振れは免れない。「今回の出来事は英国だけにとどまらない。世界経済にとって悲劇だ」と香川シニアグローバルストラテジストはコメントした。
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